これは異端小説だ!
★★★★★
聖少女 魔の完全調教 (マドンナメイト文庫)が良かったので同氏の小説を購入しました。
美容整形とは呼べないような悪質な整形手術は『改造』です。
正直に言いますと、改造には引きますが、瓜二つの双子姉妹の対比と言うのは面白いギミックだったと思います。
さて、やや批判めいた文面から入りましたが、タイトルでつけた異端小説とは『改造』に特化したものではありません。
聖少女 魔の完全調教 (マドンナメイト文庫)では、館というありがちの舞台に独特な作風を持ち込んで面白かったですが、今回の孤島という舞台は、悪魔の鼓動が聞こえてきそうなほど魅力的な小宇宙を創っていました。
看護学校へ入学してきた15才の美少女たちは、複数の患者たちの慰み者となる生徒と一人だけの患者に仕える特別性奴という役割に別れ、互いに憎しみあうように仕向けるというのも素晴らしかったです。
また、責めもバリエーションに富んでます。
・高校生なのに小中に通わされる特別性奴たち。
・制服や衣装へのこだわり。
・マネキンとして飾られる美少女たち。
・蛇を埋め込んだ透明なバイブ、不気味な昆虫を埋め込んだバイブ。
・双子姉妹の愛憎劇。
・来年度から始まる少年の看護学校入学。
・少年の女体化。
この柚木郁人という作家は猛毒があります。
頭の中をクラクラと掻き回し、異端の世界を見せてくれるのです。
この異端の世界に足を踏み入れたら、出口を求めて彷徨える亡者となってしまうことでしょう。
双子姉妹の運命。弟の運命。母の運命。
そして、新しい生贄たちの運命をどこまでも想像せずにはいられません。
日常から隔離された異端世界を覗いて見てはどうでしょう。