筆者の語り口、題材の作り方が絶妙で、楽しく読ませてくれる。「配列とポインタの違い」や、「Cプリプロセッサの挙動」など、この本でしか読めない情報が入っているわけではないが、これだけ楽しく読める本はなかなか無い。
訳も良好で読みやすく、「K&R CとANSI Cの違い」など今となってはやや古くなってしまった話も一部にはあるが、全体としては古びておらず、今だに楽しめる。
この本、唯一の欠点は技術協力をした人のコメントが「外野席」の名前で、欄外のいろんな個所に入っている事だ。
「外野席」の中には有用な情報もあるが、買った人はこの人のコメントを読みたくて買っているわけではなく、「訳注」を越える範囲のメッセージを載せるのは良い翻訳方法とは言えないだろう。
上記のような欠点もあるものの、他に類をみない読んでて楽しい内容になっている。まだ読んでいないCプログラマは本屋をまわってでも内容を確認してみる価値はある。