生涯に90数本の作品を残した武侠映画の巨匠、チャン・ツェー監督の本領がバクハツしたバイオレンス・チャンバラ大作。
   唐の末期、沙陀国の王（クー・フェン）には13人の血気盛んな息子がいた。なかでも11番目の敬思（ティ・ロン）と13番目の存孝（デビッド・チャン）は武芸に秀で、王のお気に入りだった。が、やがて策略家の節度使（チェン・シン）の陰謀に踊らされた兄弟たちは、互いに殺しあいを始める…。
   ワイヤーワークやトランポリンを駆使したアクションや砦の大襲撃など、迫力ある見せ場の連続。なかでも、父王を守って立ったまま絶命するティ・ロンと、馬に五体を引き裂かれるデビッド・チャンの、マカロニ・ウエスタンも真っ青の残酷かつ壮絶な死にざまは語り草となった。武術指導は『少林寺三十六房』のラウ・カーリョンとラウ・カーウィン（兼出演）。後にアクション監督として国際的に活躍するユェン・ウーピンも顔を見せる。（望月美寿）