ディランII時代の代表的レパートリーを歌う大塚まさじ、サウス・トゥ・サウス時代の盟友・中西康晴(ピアノ)とともに素晴らしい歌と演奏を披露する有山淳司、そしてチャールズ清水のピアノも含め、会場の空気を一変させる存在感に思わず息を呑む友部正人あたりがディスク1のハイライト。ディスク2では、春一番には珍しく英語詞でエレクトリック・ブルースをブチかます永井隆&Blue Heaven、センチメンタル・シティ・ロマンスをバックに歌う朝野由彦あたりに耳を奪われる。特に、リトル・フィートを彷彿とさせるネバっこいサウンドがカッコイイ「もう帰るところが」では、センチのバンド・グルーヴが堪能できる。(木村ユタカ)