メロウなインスト・パートとからみ合った、ぜい肉のないポップ・チューンがそろっている本作は、ウォードがとてつもないフォーク/ブルース・ギタリストであり、鋭い機知にあふれた語り部であり、そして――ピアノ、パーカッション、ハーモニカなどさまざまな楽器をおりまぜながら、散らかった印象をほんのわずかも与えない――独創的なアレンジャーであることを見せつける。ウォードは表現力豊かなヴォーカリストでもあり、ベン・ハーパーを思わせる高音域、かすれた中音域、いずれも魅力的だ。誰も知らない宝石のようなこのディスクには、弱点がどこにもないのである。(Anders Smith Lindall, Amazon.com)