ブルウのアイデア・マン、ジェームズ・マコーリーIII世にとって、孤高の人として知られるジェリーフィッシュのフロントマン、アンディ・スターマーを隠居から引っ張り出すことはそれほど難しくなかっただろう。スターマーがソングライティングに参加し、バック・ヴォーカルも担当した「Could Be Worse」は、ブルウの2作目のフル・アルバム『Redhead』の中でも強力なフックと怒涛（どとう）のハーモニーで際立っている。セミソニックのダン・ウィルソンを迎えた「Something's Gotta Give」を始めとして、『Redhead』にはバッドフィンガーやスーパートランプのようにAMラジオで大歓迎されそうなパワー・ポップ・トラックが至るところにある。「I Won't Go Hollywood」や「Could Be Worse」といった、温かくて茶目っ気のある曲も豊富。映画『スパイダーマン』のサウンドトラックにも収録されていた「Something Else」は、間違いなく本作のハイライトだが、エモーショナルなバラード「We'll Do It All Again」とシークレット・トラックとなっている「Dance Dance Baby Doll Dance」もそれに負けない魅力をもつ。（Aidin Vaziri, Amazon.com）