ヤング・ガンズに言っておきたい。ロッカフェラ・レコードの未来を背負うと宣言する前に、その大口を裏づけるデビュー作をリリースした方がいいかもしれない、と。本作はそこまでのアルバムではないが、たしかになかなかのヒップホップを聴かせてくれる。R＆B調の「Grown Man」「$$$ Girlz」といったトラックは、レトロな80年代のホール＆オーツのサンプリングと、緩急を織りまぜたテンポ変化とで、若いラップ・ファンもロッカフェラ王国の信者もあっさりと満足させるはず。もちろんジェイ・Zがカメオ参加した「Never Take Me Alive」もある。だが上出来なトラックを聴かせてくれるものの、ビートとリリックはいまひとつ物足りない。リスナーはロッカフェラの過去のサウンドをよく知っているのだから、もしヤング・ガンズが本当にロッカフェラの未来を背負うと言うなら、何か斬新なところを見せてくれないと。（Rebecca Levine, Amazon.com）