Dance With My Father
価格: ¥929
ルーサー・バンドロスの体調はいまだ予断を許さない状態だけに、亡き父への思いを歌った『Dance With My Father』のタイトル曲は余計に胸が痛む。さまざまなリスナーにアピールするバラエティ豊かな今作の中でもこの曲は中心的存在であり、バンドロス自慢のディープボイスは健在だ。「Dance With My Father」以外にも「Buy Me a rose」のようなアダルトコンテンポラリーなバラードや、軽快なソウルチューン「If I Didn't Know Better」、さらにヒップホップ系アーティストとのコラボも意外な程にいい出来だ。ルーサーとフォクシー・ブラウンがカップルを演じるのは無理がある(「If It Ain't One Thing」)が、ビヨンセ・ノエルズやバスタ・ライムズと競演したソフトなR&Bのカヴァーは聴き物。デスティニー・チャイルドのリードシンガーであるビヨンセとのデュエットで、ロバータ・フラック&ダニー・ハザウェイでおなじみの「The Close I Get To You」を見事にカヴァー。彼の代表曲のひとつ「A House Is Not A Home」を思わせる部分もある。バスタ・ライムスの低音ボイスをフィーチャーした「Lovely Day」もけだるい雰囲気でいい出来(ただパート2と題されたリミックスは余計だったかも)。その他は80年代以降のバンドロスの路線であり、ファンは満足すること間違いなし。(Rickey Wright, Amazon.com)