年老いている人も若かった。若い人も年老いて行く
★★★★☆
~老いはだれにもやってくる。それなのに若者文化の中ではどうしても避けられがちだ。今が楽しければよいのかもしれないが、今の楽しみが刹那的であることも考える必要がある。この本はそんなことを考えながら読み終えることができた。スージーというちょっと元気すぎて大人からにらまれている女の子が老人ホームに行く。老人たちとの付き合う中で、次々に持ち~~上がる問題点。それに真剣に取り組み「ルール」を打破しようとする元気さ。うらやましい。それに、目の前の年老いている老人がシングルマザーの問題に直面した経験を持つ「人」であることに気づかされたりもする。年老いて死んで行く。死んで行くまでの人生。でも、だからこそ年老いても生きていることが重要なのであり、決して少しくらい年老いて弱々しいか~~らといって自由が奪われることは苦痛にほかならない。自由の代償として少しくらいリスクを負ったとしても、それは目の前の「人」が選択したことと思えば納得できるはず。対象を「人」として認めていないから、かばおうとする。「そんな大人は自分自身をかばいたいだけ。それを気づかれずにすむように、相手をかばうようなふりをする」とスージーは教えてくれ~~た。目立たない出版社から出版されているが、名著。訳が少しわかりにくいところがあるが、会話はビビッドで読みやすい。~