写真がすばらしいのひとことに尽きる。個々の猫種の特徴が、魅力的なポーズのなかに的確にとらえられていて何度みても見飽きない。カメラマンの山崎哲氏は、撮影の技術の高さとともに、それぞれの猫の特徴を洞察する眼を備えているのであろう。とにかく最高に美しい猫たちに出会える猫図鑑である。著者のグロリア・スティーブンスの解説は、審査員、ブリーダーとしての豊富な知識と経験に基づいていることを感じさせるが、通常の解説のような図鑑的記述ではない愛情のこもった眼差しで、その猫種の特徴を日常的な言葉でこまやかに語って聞かせる。猫の遺伝学的な特質についても初心者向けの項目と、より深く理解したい欲求に応える具体的問題についての項目などにより解説していて、幅広い読者の要求に応えられる構成となっている。判型が大きいため図版が大きく迫力にとみ、眺めるだけでも猫の魅力を堪能できる本である。写真、解説ともにきわめて高い水準の本で、製作するために費やされた圧倒的な情熱と時間が想われる。趣味的あるいは専門的、いずれの知的関心をも満足させること請け合いである。価格はそれにくらべると驚くほどリーズナブルといってよい。

文句なしのボリュームです。
経路に関する遺伝子についても述べられており、
写真だけではなく、知的欲求としても楽しめる本です。


ただ、解説文には若干ショー用語があるので
そこのところご注意。
でも巻末のほうに用語解説があるので、
そこのところのフォローはきちんとされています。


ネコ好きの人にはお勧めかも。

世界のさまざまな種類の猫を豊富な写真付で詳細に解説しています。
たくさんの猫の写真を見ているだけで気持ちが癒されます。疲れたときなどに、お気に入りの種類の猫の写真を見ることは、とても気分のいいものです。

また、解説がとても詳しいので、大変勉強になります。いろいろな種類の猫について詳しくなれて、ちょっとした猫博士の気分です。冒頭には、猫の遺伝についての解説があり、猫の毛並みや体格がどのように遺伝するのかという点についての生物学的な解説が載っています。こちらも興味深い内容です。

　この本は、少し高価と感じるかもしれない。しかし、内容は多くの人が満足出来る筈だ。基本的に猫種を紹介する本で、猫の飼い方等は載っていない。しかし、純血種に関する解説は詳しく、皮毛や目の色についても記述されている。また、猫の歴史や遺伝についても解説されている。遺伝については、取り上げる本が少ないので、意外と貴重な部分といえるだろう。勿論写真に関しても、オールカラーで文句無しに美しい。
　本書の写真は山崎哲氏で、個人的には猫を撮らせれば国内でベストの写真家だと思う。解説はTICA(純血種を管理する国際的な協会)の遺伝委員であるグロリア・スティーブンス氏だが、少し主観的な部分はあるものの解説は読みやすく詳しい。

　しかし、本書も欠点が無いわけではない。解説の翻訳が若干おかしかったり、字下げが全くされていない等日本語の組み版が変なところがあるので、星を一つ減らした。ただ、翻訳のおかしい部分は専門的な用語の部分なので、厳しい評価であり、多くの人は気にならないだろう。