「笑点」の歌丸ではない。
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落語好きとしては、「笑点」を中心とする「落語家バラエティーショー」は疑問だ。この番組で「気障でお高い」印象で売り出すた小円遊が自殺に等しい憤死をしたのも、この種番組で作られてしまうキャラクターによって、多彩な落語の世界の表現を制限されてしまうからである。
歌丸師匠は、「笑点」において辛口の論評をする「長老」役を「演じている」が、本業の本質はそこにはない。
ありふれた噺を丹念に演じ、やり手のいなくなった噺の復活につとめているのである。
ぜひ、こうした真摯な姿を広く知ってほしいと思う。