セックス・アンド・ザ・シティ
価格: ¥2,520
隅から隅までロマンティックかつギンギラギンなサウンドトラック・アルバムである。もっとも、HBOの人気テレビ・シリーズ『セックス・アンド・ザ・シティ』のきわどい内容からすれば、こうなるのは当然かもしれない。モロコの1970年代風ディスコチューン「The Time Is Now」(ファルセットを駆使したヴォーカルとたたみかけるようなストリングスが印象的)から、ジョーン・オズボーンの昔懐かしい気分のR & B「Righteous Love」まで、ソウルフルなグルーヴとセクシーで誘惑的なポップ・チューンが全面展開するのだ。登場するアーティストは、ほぼ全員がセンチメンタルなムードを漂わせている。カントリー界のスター、トリーシャ・イヤウッドはピアノ・バラード「For Only You」で傷心を歌い、エイミー・マンはエルヴィス・コステロっぽいスタイルをスマートに取り入れた「Calling It Quits」を提供。ダスト・ブラザーズはアンドレア・トゥルー・コネクションが1976年にヒットさせた「More More More」をよみがえらせた。色事のエキスパートにして、自分のサウンドのアップデートに余念がないトム・ジョーンズは、「Sexbomb」を「Peppermint Jam Mix」(ムース・Tをフィーチャー)に料理させている。タイトルが示すとおり、不思議な味わいをもったチューンだ。番組のテーマ曲である「Sex And The City Theme」は、上物のワインとキャンドルライトにぴったりマッチしそうだ――ついでにバリー・ホワイトのアルバムを用意しておけば、もう完ぺきだろう。(Rob O'Connor, Amazon.com)