エディ・マーフィとニック・ノルティのスリルあふれる刑事もの『48時間』で成功した後、監督ウォルター・ヒルが再びバディ・ムービーを作った。ユーモアを解さないロシア人の刑事イワン・ダンコー（アーノルド・シュワルツネッガー）を描いた半ばバカバカしく半ば爽快なこのアクションだ。ダンコーは麻薬の売人を追ってモスクワからシカゴへ行き、そこで仕事に対する倫理観が彼と比べてかなりゆるい、市警のアート・リジック刑事（ジェームズ・ベルーシ）と共に行動する。ユーモアの大部分は、典型的なアメリカの資本主義に対するむっつりしたダンコーのリアクションを軸にしており、一方でリジックは彼に落ち着かせようと必死になる。『レッドブル』はアクション・コメディとしては悪くない方だが、それは、あり得そうもない相棒同士が気の利いた台詞を言い合い、さりげなく振る舞い、彼らの行く先はどこでも暴力があふれる、意外性に欠けるこの作品のばかばかしいテイストに興味を持てた場合だけの話だ。ちなみに、『レッドブル』は初めてモスクワの赤の広場で撮影を許可されたアメリカ映画だ。（Jeff Shannon, Amazon.com）