中・高一貫の効率性
★★★★☆
高校入試がある以上、どうしても中学と高校との間には、学習の連続性が途絶えてしまうのは仕方が無いことだと思う。が、その一方で数学のように体系の整った学問はなるべく断層をつくらずに連続的に学習できたほうが効率的だと感じていた。
この本の兄弟本である「中・高一貫の数学 図形篇」は、特にその効率の良さと理にかなったスタイルが際立った本だと思った。
この数式篇も本の考え方は同じであるが、文字式から方程式、一次関数、二次関数へと進むスタイルはある種完成度が高いのか、通常の中学で学習する範囲→高校で学習する範囲といった枠組みとそれほど変わっていないと感じる。
メリットとしては、中学のうちから高校の範囲までをこの一冊で学習できるという点で、本の方針が際立って表現されているわけではないところが、実際に読んでみて以外な感じだった。
とはいえ、扱われている内容のレベルの高さとスマートな解説、そして問題の構成の仕方などは秀逸であることは間違いないと思う。
できれば、意欲的な中学生が、初学年から読んで中学生のうちに高校の範囲まで触れ、更なる高みへと上っていって欲しい。