2007年に劇場公開された作品のDVD化。制作当初は、11人編成のフル・ロック・オーケストラによるライヴ「ROCK LOVE」(2006年12月9日/SHIBUYA-AX)を着地点とした"ロード・ムービー風の作品"を目指したそうだが、結果的には、メンバー個人とバンドの関係性に焦点をあてた"精神的ロード・ムービー"になってしまったところが、結成から25年を経たカーネーションの"現在位置"を見事に突いていると思う。もちろんライヴ・シーンもふんだんに盛り込まれてはいるものの、観終わったあとでメンバーの生き様が脳裏に刻み込まれるという点で、ニール・ヤング&クレイジー・ホースの『イヤー・オブ・ザ・ホース』に相通じるものがあると気づいたのは、決して僕だけじゃないはず。"ロックで生きる"ということは、ときにツライこともあるが、実にステキなことなのだ。(木村ユタカ)