「他人にされて一番いやなことは何だろう?」
物語の冒頭で殺人鬼が物思いにふけるシーンだ。 「お前にそれができるか? そんな度胸があるのか?」
その質問に答えるように、彼は常軌を逸した殺人の旅へと出発する。まずはノブ・ヒル・ホテルのブライダル・スイートからハネムーン先のナパ・バレーへ、そこからオハイオ州クリーブランドにある「ロックの殿堂」の披露宴会場へと不気味な移動が続く。標的の新婚カップルが人生最高の1日を過ごすのを見届けた彼は、自分を尾行している女たちにわざと正体をばらすような手がかりを残し、捕らえられ獄中に入る。しかし、彼女たちがようやく事件解決と思ったのもつかの間、殺人鬼は誰も考えつかないようなやり方で、4人めがけて血みどろの報復行為を開始するのだった。
アレックス・クロス・シリーズの人気作家パタースンは、「ウィメンズ・マーダー・クラブ」の活躍が今後も続くことをほのめかしている。4人のヒロインたちの魅力をさらに引き出すことで、パターソンは読者に「ハイヒールを履きルージュをひいた探偵が最高」と言わしめ、新たなファンを獲得するにちがいない。