最近の研究成果による美術論集。
★★★☆☆
イタリアを旅すると日本では紹介されない芸術家が各地に沢山いたのだ
と思わされます。特に、中世から盛期ルネサンスにかけての作家につい
て知りたいと思っても翻訳されたものも少なく一般向けの書籍にはほん
のわずかしかありません。
この本は、残念ながら、タイトルほどイタリアルネサンスの美術をわか
りやすく理解させてくれる網羅的なものではありません。
11人のイタリア・ルネサンスの研究者(学者)が最近の研究成果とし
て、それぞれの専門テーマ・分野を論じた論文集で構成されています。
全体としては、初期ルネサンスからバロックへと時間の流れにそった
構成になっており、それぞれのピンポイントに深い成果が紹介されてい
います。参考文献も豊富です。図版もそれぞれにあり、また巻末には13
世紀から17世紀の主要な芸術家60人弱の略伝の紹介があり、素人にはう
れしいおまけです。
評価は、星3つとしましたが、私のような素人向けの書籍としては、と
いう見方からで、個々の論文内容についての評価ではありません。