the book of martin margiela
★★★★★
マルタン・マルジェラには癖がある。古風でパンクでモードなニュアンス、そして透き通った空気感。それを着たモデル達はポーズを取っていたりくつろいでいたり、はたまたマネキンだったり、みんなばらばらなのに統一感があるのはマルジェラが個性を押し付けているのではなく共有しているから。本の中にコラージュのようにそれを捉えた写真たちが飾られている。そのコンセプトや制作手段を語った文章も、写真の上に重ねられ、絵の一部になっている。作品に込められた抽象的な到達点の一側面達が集まって、一冊の本を成し完成した一作品。おまけに解説は英語と日本語両方であるので、外国語が苦手な人や日本語が苦手な外国人にも嬉しい一冊。