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青春少年マガジン1978~1983 (KCデラックス)

価格: ¥980
カテゴリ: コミック
ブランド: 講談社
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【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:小林 まこと 著 出版社名:講談社 シリーズ名:マガジンKCDX 発行年月:2008年12月 関連キーワード:セイシユン シヨウネン マガジン 1978 カラ 1983 マガジン コミツクス デラツクス KC DX ケ-シ- デイ-エツクス 46300-18 せいしゆん しようねん まがじん 1978 から 1983 まがじん こみつくす でらつくす KC DX け-し- でい-えつくす 46300-18、 コウダンシヤ 2253 こうだんしや 2253、 コウダンシヤ 2253 こうだんしや 2253
陽性の漫画家残酷物語にして、トキワ荘なき後の漫画家立身出世物語 ★★★★☆
小林まことは、オリジナリティあふれるストーリーテラーの面しか知らなかったが、奇跡的に生き残った生還者であることがこの作品でよく判った。特に、アシスタントなしで週刊誌の連載を描くことが、いかに無謀なことなのかは真に迫っていた。漫画誌を出す出版社もテレビ局も未曾有の不況に喘いでいる今、「面白い物語を創造する」現場の空気は明らかに低下している。プロの編集者、テレビマンが皆学歴優秀なサラリーマンばかりになったからだ。まさに死と隣り合わせの漫画の現場を支える編集者の存在も、当時より確実に劣化していることだろう。
小林まことの「まんが道」 ★★★★☆
内容のレビューについては他の方が書いてあるとおりです
やはり手塚・藤子の時代から漫画家はひたすら健康や精神を害してまで
子供たちに夢をあたえるために書き続けたんだなと思いました。
特に交遊録にフォーカスしていたので一読の価値がある。
こんな人たちが日本の漫画文化を支えたんだなと感慨を持ちました
親友たちに捧げられた墓碑銘 ★★★★★
 小林まこと版「まんが道」とでも言うべき、著者の自伝的な青春マンガだ。藤子不二雄Aの「まんが道」が昭和30年代の若いマンガ家たちの青春を描いているのに対して、この作品は昭和50年代の若いマンガ家たちの青春を描く。短期的に連載されていたものをまとめているので、物語は著者とほぼ同時にデビューした2人の新人マンガ家(小野新二と大和田夏希)の物語に限定されているが、それによって雑多なエピソードの中に一本ストーリーの縦軸が通っている。

 ほとんど著者自身の一人称視点で描かれている作品なのだが、一箇所だけ視点が他の登場人物に移るシーンがある。仕事でスランプに陥った大和田夏希が、駅の階段で転落の恐怖に襲われて身動きできなくなってしまうシーンだ。他のシーンが徹底して著者一人称の語りだけに、このシーンだけが突出している。そしてここから物語は、著者と並走してきた2人の親友の死について語りはじめる。

 これは著者の自伝であると同時に、親友であった2人のマンガ家の墓碑銘とでも言うべき作品なのだ。そう考えると、この作品の中の著者は狂言回しであって、本当の主役は小野新二であり大和田夏希だったのだということもわかる。若い頃の著者の自画像が現実の風貌と大きく変えてあるのは、自分自身を美化するためではない。若い新人マンガ家のくせにやけに老け顔で貫禄たっぷりというキャラを、あえて打ち消すために特徴のない青年の顔に書き換えてしまったのだろう。

 大和田夏希は1994年に、小野新二は翌年の1995年に亡くなっているという。だが今現在、彼らの名前を覚えている人たちがどれだけいるだろうか? 大和田夏希の「タフネス大地」を、小野新二の「OH!タカラヅカ」を僕はリアルタイムで読んでいる。しかし彼らの死を、僕は知らなかった。若いマンガ読者は、おそらく彼らの名前など知らないだろうし、「タフネス大地」や「OH!タカラヅカ」だって知らないだろう。マンガというのは消耗品で、時代と共に消費され忘れ去られてしまう。だが小林まことはそこで、あえてこの2人を主人公にした作品を描いた。描かずにいられなかったのだろう。彼らが生きたことを、マンガを描くことで命を燃焼しつくしたことを、多くの人たちに知ってほしかったのだろう。

 僕はこれを読んで、藤子不二雄Aの「まんが道」に出てくる寺田ヒロオを思い浮かべる。寺田ヒロオもまた、少年マンガの世界で一世を風靡したものの消えてしまったマンガ家だ。だがその名前を、その人柄を、その作品の持つ豊かな世界を、今でも多くの人が知っている。寺田ヒロオを主人公にした映画まで作られた(市川準の『トキワ荘の青春』)。それは「まんが道」の中で、寺田ヒロオがとても魅力的なキャラクターとして描かれているからだ。今後も「まんが道」が読まれる限り、寺田ヒロオの名前は日本のマンガファンの中に長く記憶されるだろう。「青春少年マガジン1978〜1983」における小野新二と大和田夏希もそれと同じだ。このマンガを読んだ人は、小野新二と大和田夏希のことを決して忘れることはないだろう。
漫画読みは必ず読むべき一品。 ★★★★★
週刊少年マガジン50周年企画として、マガジン黄金時代に新人ながら活躍していた小林まこと氏が特別寄稿した作品です。
数々の大物作家が本誌に一週限りの寄稿をするなか、この作品だけは異例の13週連続掲載という作品となり、この単行本の刊行の運びとなりました。

ギャグ漫画家である小林氏の独特な小林節とでも言えるギャグを散りばめた本作品の依頼の描写からの導入、その後漫画家デビューの話から物語は始まり、1・2の三四郎の連載が終わるまでの足跡をほぼ時系列で追った本作(一部話が先に飛ぶこともありますが)は、小林氏の自叙伝であるとともに、リアルタイムで小林氏が駆け抜けた貴重なマガジン史の一編でもあります。

1・2の三四郎が瞬く間に人気漫画になっていき、順風満帆に思われた小林氏の人生は、熾烈な締め切りという名の悪夢との闘いでもありました。
そして、その精神的圧迫に潰れてしまいそうな時に心の支えになった2名の同期の漫画家達との交流の話。
親友でもライバルでもある2人との交流は、傍から見ていると素晴らしい友人関係であったのだろうと思わざるを得ません。
しかし、そんな3人の関係にあまりに悲しい顛末が待ち受けているのです・・・。

大ざっぱにストーリーを書くとこのような感じですが、この漫画のスゴいところは、これらの描写が非常に客観的(一部ものすごく主観的なところもありますけれど)に、淡々と描写されているところ。
特に、二人の友人の顛末の描写は特に強調も誇張も無いのに関わらず、読者の胸を深く抉ってくる。
しかし、そのような結果になったことに対する小林氏から恨みや憎しみと言ったものがこの作品からは全く感じられず、むしろその事実は本当に淡々と描写され、それでいて静かに、読者に力強く何かを訴えかけてくるのです。何度も読み返したくなるパワーを感じます。
正直、小林氏の構成力には舌を巻くばかりです。

この作品は、漫画家から発信される娯楽を享受する漫画読みはもちろんのこと、全ての殺伐とした現代社会を生きる大人にも是非読んで欲しい作品です。
モノを生み出すことは莫大なパワーが必要で、それを生み出すことは並大抵のことではない。
それでも産みの苦しみに耐え抜いた先には、無常の喜びと幸せが待っているのだと、この作品を読むと感じられずにはいられないのです。
もうひとつの「バクマン」として ★★★★★
 「このマンガがすごい!2010年版」で、3位にランクインしていたのを見て購入した。
 『1、2の三四郎』も読んだことが無いし、小林まことという漫画家についても失礼ながらまったく知らなかった。だが、読み進めていくにつれて、不思議とこの漫画の世界に引き込まれていくのを感じた。
 もっとも印象的なのが、週刊連載の過酷な労働環境についてである。そのような裏事情はちょっとした漫画ファンであれば誰でも知っているだろうが、実作者が自ら漫画として発表することはなかなか無いのではなかろうか(しかも『マガジン』の創刊50周年記念の作品として!)。そして、この作品の中盤以降で語られる、「新人3バカトリオ」の顛末には、言葉を喪ってしまった。「クリエイティブ」な仕事の裏にある、非合理的ともいえる莫大な労力と犠牲がいかなるものかということについて教えられる。
 同じく漫画執筆を舞台にした傑作『バクマン』に比べると、華も無く、血も涙も無い作品世界である(タッチはコメディっぽいのだが、話が進むにつれて内容のシリアスさが勝ってくる)。しかし、このような作品が「このマンガがすごい!」などのランキング上位に入っていて広く読まれうるという事実は、日本の漫画文化の懐の厚さをあらわしているように感じられてならない。