モロッコの澄み渡った青空の下、5月の2~3週間しか咲かないダマスクローズ。このバラの谷はやさしい、かぐわしい香りに満ちていました。無農薬の大地に育まれたバラやアルガンオイル、ハーブたち。その他にも洗浄成分のガスールやサボンノワール(黒オリーブ石鹸)など モロッコには自然の恵みをたっぷりと使った美容法があります。自然を大切にして生きるモロッコ。現地生産者の方から原料を直接仕入れることにより、こだわりのある製品を作り上げることができました。昔から受け継がれたモロッコ伝統美容の贈り物を日本の皆様にお届けしたいと思います。
<ローズドマラケシュ創設者 板橋マサ江>
モロッコのアトラス山脈の麓にあった幻の湖の地層から発掘されたクレイ(粘土)で、1.7倍の水分を取り込むことができます。
汚れを吸着する効果が非常に高いので、そのまま石鹸の代わりとして使用することもできます。
また、ミネラルやマグネシウム、カルシウムを豊富に含んでいるので、殺菌・美白・鎮痛などにも向いているとされ、ヨーロッパやアメリカ西海岸のスパでも愛用されている高級なクレイです。
ガスールは、泥(粘土)の吸着力を利用して、一度の洗浄で無理なく汚れをすっきりと落とすことができ、肌にも優しいので、頭皮を乾燥させることがない万能のクレンジング剤なのです。
モロッコで昔からハーブは日常生活のなかで欠かすことのできない身近なもの。ラベンダーやネロリ、ヴェルヴェイン、ローズマリーなどは、美容材料としてよく使われています。例えば、シャンプーをするとき、モロッコ女性は、ガスールクレイ(粘土)にハーブを何種類か一緒に入れてバラ水で溶き、髪を洗っています。その香りを楽しめることはもちろんのこと、脈々と代々受け継がれ、親しまれてきたことを思えば、その効果効能もうなずけます。『無農薬の豊かな大地』。そこで育まれたハーブは、モロッコの人たちの生活にしっかりと根付いた、パワフルなものばかりなのです。
モロッコ美容に欠かすことのできないもの…それが『ハマム』です。ハマムは「熱い空気」「湯の供される場所」という意味で、蒸し風呂(スチームバス)のことをいいます。ハマムは、11世紀にトルコから伝わったスチームサウナとスペインの垢すりが融合したものだといわれています。そして当時そこは、滅多に外出することができなかったイスラム教徒の女性にとって、唯一の社交の場でもあり、ここで女性たちは流行や、生活の知恵・情報を収集していました。モロッコでは、モロッコの女性は、ハーブやアルガンオイルを独自に処方し、オリジナルの化粧品を作っています。モロッコの美の原点は、自然に育つ植物の恩恵と『ハマム』から成るものです。この美容法は、今、フランスを中心としたヨーロッパのみならず、日本でも注目され始めています。
ハマムの内部は大きく分けると3つの部屋で構成されています。1つめは、40~45℃の高温に設定されたスチームサウナルーム。ここでたくさんの汗をかき、毛穴を開き、垢すりをしやすい肌環境を整えます。身体が温まるということは、血行が良くなるということなので、それによって病気が治ってしまう人もいるようです。また、黙々と汗をかいている間、瞑想に耽り、スピリチュアルな世界へと誘います。次に向かうのは、25~30℃に設定された低温のサウナルーム。ここに設置された石のベッドに横たわり、サボンノワールをつけて、古い角質を柔らかくした後、ケッサで垢すりをします。3つめの部屋はリラクゼーションスペース。ここでゆったりおしゃべりをしたり、ミントティーを飲んだりして身体を休めます。