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教育改革国民会議で何が論じられたか

価格: ¥1
カテゴリ: 単行本
ブランド: 草思社
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結局教育改革国民会議は居酒屋談義だったのか? ★★★★☆
この指摘をかの教育学者、佐藤学氏が行ったのに対して著者は批判しているが、その実情をこの本で示してくれてはいる。しばしば報道では参加委員の独自裁量はあたかもないように、もっといえば、政府などに操られているとも言われているが、そのようではないといえる。


ただ、居酒屋談義の言葉の意味は著者と佐藤氏では異なっていると考えられる。確かに、なまじっかな経験で意見を言っているわけではないのであるが、果たして、その意見に客観性はあるのか?実はこの会議に参加していた藤田英典氏も別の著書でこの会議は居酒屋談義であったことを指摘しているのである。河上氏の報告は現場からの回答として重要な位置にあるが、はたしてどれ程の妥当性があるのか。どれくらいの学校を視野に入れた上での意見だったのか。この本からは見出せない。この会議の成果はそのまま学校教育全般を動かすわけで、それ相応の妥当性は必要であるが、やはりその意味では内容の乏しさもあるように思った。


現在行われている教育再生会議について考える上で一読して損はない。
教育改革国民会議で何が論じられたかについて ★★★☆☆
本書の印象は、「下品」です。曽野綾子さんや大宅映子さんや浅利慶太さんは御自分のことを「心美しい」と思っていらっしゃるのでしょうか。そして自分以外の、主に教育適齢段階にある日本人は「心が美しくない」と。自らの無謬性を主張するような行為が、いったいいつから美徳とされるようになったのでしょうか。被教育者の視点を内面化せず、神のように他者を裁断するような行為が、いつから卑怯と呼ばれなくなったのでしょうか。

河上亮一氏のここでの行動については、知性の低い人達に安易に迎合したという点で、慙愧に耐えません。

現場の問題を一般の人に理解してもらうきっかけになれば ★★★★★
最近、話題になっている奉仕活動の義務化等が国民改革会議でどのように議論されたのかが、よくわかる本である。義務化がよいかどうかは別にして。現場の教員である著者と他の委員との現状の認識の差がはっきり理解できる。
読みやすいが論理的なつながりがよくわからない本 ★★☆☆☆
 教育現場からの実体験に裏打ちされた認識によって書かれている文章である。感情にはストレートに訴えるところがあり、その点ではわかりやすい。しかし、冷静に読むと著者の主張の論理的なつながりがよくわからない。なぜ「個性化・自由化」が悪いのか、いまひとつ論旨不明である。それが現状の問題の原因であることが、まるで所与のことのように表現されており、因果関係が明確でない。また、著者が提言していることの実現に、なぜ、教育基本法の改正が必要なのかも説得力がない。このままでは、感情的な人にばかり受け入れられる本になる可能性があり、その意味では危険な本とも言える。
もっと議論を! ★★★★☆
教育改革国民会議については新聞やテレビでも報道されているが、その内容については奉仕稼動の義務化などしか知らなかった。

それぞれの道で日本を代表する委員が集まっているのだから、高いレベルの提言が出てくると思っていたが、報道される内容からはよく理解できないことが多かった。

委員の顔ぶれを改めて見てみると、現場の教師はこの本の著者である河上氏しかいなかったことがわかる。この事だけからも河上氏の役割の重要性が分かるだろう。

この本からは国民会議で議論されて記録されていること以外にも河上氏の視点でみた会議の雰囲気も臨場感を持って伝わってくる。

しかしながら、読み終わってもイマイチ充足感がない。 それぞれの価値観、人間観がこれほどかけ離れていては 意見をまとめるのも難しいだろう。

重要な教育の問題がこのような形でまとめられていったことには危惧を抱かざるを得ない。もっと議論を広め、それこそ「国民的」レベルで議論されるべきものである。