パリを騒がせている怪盗・ノアール。
名門貴族ロシフォール侯爵家の子息・フロレアン。
舞台は20世紀初頭のフランス。この設定に、どんな物語が展開されるのかしら、と期待に胸が高鳴りました。
ロシフォール家の家宝のダイヤを狙ってフロレアンの前に姿を現した怪盗・ノアール。けれどフロレアンのアメジストの瞳に見せられたたノアールは、お金にものをいわせて半ば無理やりフロレアンを手に入れてしまいます。けれど、ちっとも思い通りにならない。
二人の素直じゃない関係がいいです。
言葉にしない想いというのが伝わってきました。

20世紀初頭のパリをさわがせている怪盗ノアール。彼が借金という形で買った没落貴族・フロレアンが幼い子供を助けるために凶弾に撃たれ、そのうえ掴まってしまった。ノアールは大胆な方法で世界的な悪の組織からフロレアンを助けにやってくる。『プティ・ノエルの事情』解決編。

プティ・ノエル編は前巻から続いているのですが、小さな子供の勇気にぐっときます。賢く、かわいいです。

マグレブの青き魔物編は、最初からアズラが危険な感じで格好良いのですが、うさんくさかったです（笑）。また、絵がとても綺麗で背景も描きこまれていて、惹きこまれました。そして、自分の気持ちに悩む自称のアールの一番弟子。彼女の葛藤や、ちょっとした嫉妬がかわいく、恋愛要素が色濃く出ている巻じゃないかと思われます。
危険な香りのする男性が好きな方にはオススメです（笑）。