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Cripple Crow [12 inch Analog]

価格: ¥1,465
カテゴリ: LP Record
ブランド: Xl Recordings
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デヴェンドラ・バンハートの4枚目のアルバムは彼の最も美しく聞きやすい作品だ。瑞々しく、温かく、心休まる。非常に才能のあるシンガー・ソングライターは新しいファンを獲得しそうだ。だが不幸なことに、昔からのファンを少々失うことになるかもしれない。彼は明らかに、ヴィジョンを見せる音楽を作ることのできる複雑なアーティストだ。リスナーの心に多くの問題を提議させることができるが、リスナーが“前向き”になるかどうか、それは別問題。確実な一瞬、畏敬の念、自分を茶化してみせるイメージも匂わせる、そんなバンハート氏は自分を覆い隠してしまうほどに、才能ある友人たちを集めた。ホワイト・レインボーのアダム・フォークナー、ヴェチバーのアンディ・キャビック、フリー・フォークのバンド、フェザーズ、そして何と言ってもプロデューサーはトム・モナハンだ。だが、このアルバムにはお祭り騒ぎとは無縁だ。抑制の効いた、70年代初期の雰囲気が漂っている。ニューヨーク、ウッドストックに近いバースヴィルでの録音で、ジルベルト・ジル、ジョージ・ハリソン、ドノヴァン、T・レックス、ランディ・ニューマン、ボビー・チャールズのタッチがある。 ごく率直に言って、欠けているものはデヴェンドラ彼自身だけ。彼の素晴らしい模倣は、この費用のかかったレトロの演習を通してたっぷりと提示されている。だが、この華やかなミニマリストならではのトリルする親しみ深い声、独特のレコーディングの手法は、すべてがトーンダウンしたか、あるいは完全に放棄されてしまっている。彼のライヴを見たことのある人ならば誰でも気づくだろうが、彼はアルバムで見せる力を遙かに上回る才能がある。アフロ・ファンクのジャムも含めて。『Cripple』――確かにいいアルバムではある――のハイライトとなる曲は、最もシンプルでダイレクトなものだ。たとえば、「Hey Mama Wolf」は楽しく、スペイン語の歌すべても同様だ。はっきりとした反戦の曲が1曲に収まっておらず、ベトナム時代の戦争と音楽との結びつきは、もちろん現在も変わらないと示している。“戦争が今日終わったと話す人がいた/単純なことだ、僕らは人を殺したくない”。まさに然り。(James Conde, Amazon.com)