本作の大半は、ニック・ドレイクとストーン・ローゼズが天上で出会ったかのようなサウンドであり、サウスが繊細につむぐメロディーは、果てしなく広がるスペース・ロックにおけるジャム・セッションの王国へ向かって旅立っている。けれども、ジェームス・ラヴェルが主宰するヒップビートのレーベル、モ・ワックスと契約した初のインディーズ・ロックバンドであるサウスは、ギターバンドでありながら、とことどころにDJシャドウ風のドラマチックに響くドラムや、マニー・マーク的なおぼろげなキーボード、アンクルの賛美歌からそのまま取ってきたようなムードあふれるオーケストラのストリングスを取り入れている。
また、「I Know What You're Like」のコーラス部分では、「誰でも / やがては落ちていくんだ」と断言している。しかしながら、このすてきなアルバムは70分の旅を約束している。リスナーを釘づけにし、「ロックは死んだ」という退屈なスローガンを拒否する最新の音楽を体験させる旅を。(Louis Pattison, Amazon.com)