モロッコの澄み渡った青空の下、5月の2~3週間しか咲かないダマスクローズ。このバラの谷はやさしい、かぐわしい香りに満ちていました。無農薬の大地に育まれたバラやアルガンオイル、ハーブたち。その他にも洗浄成分のガスールやサボンノワール(黒オリーブ石鹸)など モロッコには自然の恵みをたっぷりと使った美容法があります。自然を大切にして生きるモロッコ。現地生産者の方から原料を直接仕入れることにより、こだわりのある製品を作り上げることができました。昔から受け継がれたモロッコ伝統美容の贈り物を日本の皆様にお届けしたいと思います。
<ローズドマラケシュ創設者 板橋マサ江>
毎年5月初旬に自生したピンク色のバラが、一斉に道の両端を美しく彩り、朝早く農家の女性が総出となって香り立つバラのつぼみを、丹精込めて摘み取ります。
「ダマスクローズ」はモロッコ美容にはかかせない自然が生み出す貴重な素材です。
集められた貴重なバラは、2軒ある工場で蒸留されます。この精巧な加工により精油やバラ水ができあがります。精油は、ダマスクローズ2500本につき1~2滴しかとれない貴重なものです。
モロッコのダマスクローズは、世界5大産地の1つで、収穫量も少なく、農薬を一切使わずに育った天然のバラ。
日本では手に入れることが難しい貴重な香りで、優しく爽やかなのが特徴です。
モロッコの南西部にしか生息しないアルガンツリー林は、ユネスコ生物圏保護区域に指定されている貴重な木です。
この乾いた土地で、枯れることなく、充分に養分を蓄え、自生しているアルガンツリーは、種にオリーブオイルの数倍ものビタミンEを含みます。
栄養価が高く、モロッコでは傷薬としても使用されていることから、アルガンオイルは『奇跡のオイル』と呼ばれ、古くから、重宝されています。
しかし、そのオイルを作るために必要なアルガンツリーの実は、収穫に規制があり、またその種から、手作業で石臼を使ってオイルを搾取しているため、
非常に貴重なオイルです。
アルガンオイルの成分は、肌の組織と似ているため、肌との親和性が良く、肌内部に浸透して、細胞膜にまで届き、コラーゲンを守るはたらきがあります。
モロッコのアトラス山脈の麓にあった幻の湖の地層から発掘されたクレイ(粘土)で、1.7倍の水分を取り込むことができます。
汚れを吸着する効果が非常に高いので、そのまま石鹸の代わりとして使用することもできます。
また、ミネラルやマグネシウム、カルシウムを豊富に含んでいるので、殺菌・美白・鎮痛などにも向いているとされ、ヨーロッパやアメリカ西海岸のスパでも愛用されている高級なクレイです。
ガスールは、泥(粘土)の吸着力を利用して、一度の洗浄で無理なく汚れをすっきりと落とすことができ、肌にも優しいので、頭皮を乾燥させることがない万能のクレンジング剤なのです。
モロッコで昔からハーブは日常生活のなかで欠かすことのできない身近なもの。ラベンダーやネロリ、ヴェルヴェイン、ローズマリーなどは、美容材料としてよく使われています。例えば、シャンプーをするとき、モロッコ女性は、ガスールクレイ(粘土)にハーブを何種類か一緒に入れてバラ水で溶き、髪を洗っています。その香りを楽しめることはもちろんのこと、脈々と代々受け継がれ、親しまれてきたことを思えば、その効果効能もうなずけます。『無農薬の豊かな大地』。そこで育まれたハーブは、モロッコの人たちの生活にしっかりと根付いた、パワフルなものばかりなのです。