スタイロフォームはアーネ・ファン・ペテゲムのソロユニットである。ファン・ペテゲムは、4作目にして最も認められた力作のために、自分の好きなアーティストたちを招いて夢のレコーディングをコラボレートした。参加したのは、ベン・ギバード（デス・キャブ・フォー・キューティー）、マーカス・エイチャー（ノットウィスト）、ヴァレリー・トレベルヤー（ラリ・プナ）、アンドリュー・ケニー（アメリカン・アナログ・セット）ら。そのほとんどはブリュッセルまで来てレコーディングしたが、ケニーだけは例外で、インターネット経由でファイルを交換した。参加メンバーを見ればそう驚くには当たらないが、仕上がりはノットウィストとザ・ポスタル・サービスを足して2で割ったようなエレクトロポップにヒップホップのおまけがついているという感じだ。「Misguided」では、エイリアスのラップをフューチャー。エイリアスはビートにも貢献しているが、このアルバムで際立っているのは「Couches in Alleys」で、ここではギバードのため息まじりのヴォーカルが別世界のサウンドに迎え入れられている。（ファン・ペテゲムもこれほど独特ではないにしても、同じような声の持ち主だ）。『Nothing’s Lost』によって、スタイロフォームは2000年代最高のエレクトリック・アーティスト兼プロデューサーのひとりとなった。（Kathleen C. Fennessy, Amazon.com）