発達を支援するための作業療法の基礎
★★★★☆
本書で言う発達障害は自閉症などの「軽度」発達障害ではなく、発達全般に対しての障害であり、教育的・心理的表現ではなく医学的な表現である。
基礎編では発達についての基礎知識と子どもの発達やその遅れにたいして作業療法の立場からどのようなアプローチが可能かについての概論が述べられている。
発達についての定型発達についての説明が主になっている。どのような部分に遅れがあり、ゆがみがあるかは定型発達を理解していないと気づきようがないので当然と言えようか。
また、子どもの発達に不可欠な遊びについても多くのページを割いている。作業療法において子どもの自発的な参加を促すためには遊びや競争の要素が重要であることもあろうが、それ以上に子どもにとって如何に遊びという活動が大きな位置を占めているかの反映と見るべきであろう。
本書では子どもの発達を支援するための作業療法の基礎的な知識について述べられている。具体的なアプローチについては実践編が主として扱っている。