外資系運用機関が年金基金向け（ひいては母体企業の経営者向け）に書いた、証券投資の教科書。教科書的であるが故に毒にも薬にもならない文体だが、それが良い意味でシンプルさを醸し出しており、分かり易いように見えてしまう。しかも全頁カラー刷りなので尚更。また本書は「要約」が多いのが特徴。各章の頭に要約が記されているのは勿論、さらに各章の要約を束ねた「経営者のための要約」を序章に持ってくるという徹底ぶり。「とりあえず要約だけでも目を通すか！」と思わせる造りが秀逸。刊行（2001年）からだいぶ経年している事を割り引いても、なかなかの出来。