離島独自の宗教・伝統・文化の入門書
★★★★☆
今年、沖縄のとある島へいったところ、何か言葉に表せない
何年も時間が止まっているような不思議な感覚を味わいました。
お店はあるけれども、地元の人の生活が全く見えない不思議な観光島。
旅を終えてから改めて調べてみると、その島は昔からの独特の宗教と
奇祭とが今も生きている島でした。驚きました。この現代にもそんな
島があるなんて! でもその島にはその独特の文化についての解説も
立て札も何もなかったのです。島の人には観光客に興味本位で見られたくない
リアルで息づいている文化だったのでしょう。
ということで、日本の離島の独特の文化が気になってまず手に入れたのが
この本です。離島は宗教・伝統・文化・歴史が陸続きの村とは違い
独特の進化を遂げていてもおかしくありません。
金額が金額なのでそれほど突っ込んで書かれているわけではありません。
民俗学の本でもないので、なぜそのような文化が発達したのかなども
書かれていません。でも、バラエティに富んだ歴史の島が書かれているので、
日本の離島の民族学を知りたいならキッカケとしては読みやすくいい本だと
思います。
元々遺構好き、民俗学好きなので多少物足りなくも感じましたが金額を
考えたら不満はありません。この本で興味を持った島をさらに調べて
みる、という楽しみ方をしています。