「CSI」シリーズはそれぞれ場所によって独自色がある。ラスベガスのシリーズは、くすんだ怪しげな緑、ニューヨークのシリーズは、陰鬱な青だ。それに対してマイアミのシリーズは、シトラスイエローとオレンジをふんだんに混ぜ合わせた色で、主演のデヴィッド・カルーソの髪の毛のように明るい。マッスル・ビーチのショットと芳しいヤシの木の映像にもかかわらず、不気味な犯罪現場が解決されるのを待っているのだ。「CSIマイアミ シーズン3」は文字どおり衝突音がしてレギュラーのロリー・コクレインが勤務中に殺されるところから始まる。彼の死はメンバーに影を落とし、メンバーは礼儀をわきまえていくつかのエピソードで彼の名を出す。コクレインの代わりに華やかな新しいキャラクターを加えることはせず、他のシリーズのキャラクターと似た人物が登場する。1人は若くて未熟なライアン・ウルフ(ジョナサン・トーゴ。「CSI」のラスベガスシリーズでエリック・スマンダーが演じた若くて未熟なメンバーと似ている)であり、もう1人はマイアミデイト署にフルタイムで働くことになるイェリーナ・サラス(ソフィア・ミロス)で、ニューヨークシリーズのメリーナ・カナカレデスのようなラファエロの絵に出てくる美女の役割を果たしている。サラスはあまり登場しないが、いまだに彼女に想いを抱いているホレイショ・ケインからあこがれの目で見られる。気の毒なことに彼女はケインの死んだ弟の未亡人なのだ。
マイアミシリーズでの異常な事件は以下の通りである。見習いをつれた斧による殺人者(エリック・ロバーツ)、合コンで死亡するロメオ、処理するためにボイルされた頭蓋骨のある死体、ヘビのせいで死んでしまうパーティガール、津波が関係する犯罪現場などである。プロのスケートボーダー、トニー・ホークも、プロのスケートボーダー役で(それ以外に何があるか?)登場し、ビデオゲームのためにモーション・キャプチャーしているときに殺される人物になる。本シリーズで最高なのはカルーソで、他のシリーズの主役よりも、ホレイショ・ケイン役が板についている。刑事として関係者の口の中に綿棒を入れて唾液を取ったりすることもあるが、銃を取って凶暴な容疑者と戦ってもいる。彼はまたTVドラマにしては度を越したドラマティックな間を取るのが大好きなようだ(「なぜなら。証拠が。語っている。のだ」といった具合)が、楽しんでやっている。(Ellen A. Kim, Amazon.com)