No More Heroes
価格: ¥1,066
“お前は愛してもいいし、軽蔑してもいい。ただ、妥協する余地はないんだよ”と、アングロ・フレンチのベーシスト、ジャン・ジャック・バーネルは「Burning Up Time」で吐きだすように言う。ストラングラーズの2ndアルバムとなる『No More Heroes』では、戦線は、主にマスコミと女性のムーブメントにおいては次の両者の間に引かれていた。未来の“メン・イン・ブラック”はぶざまな性差別主義者の豚で、ドアーズを攻撃的なパンクにした音楽を売り歩く者。そして、ストラングラーズが素晴らしくメロディックで、危険なほど乾いたユーモアとすばやい指とパイプをくゆらすキーボード奏者がいても、知的なパンクロック・コンボだと考える者との間に。前者にはたくさんの不満があった。国中の年配の叔母さんたちは、気の利かないDJが“汚れ仕事に関する”「I Feel Like a Wog」をイギリス国営のラジオ・ワンで流せば卒倒しただろう。おそらく、教師と生徒の卑猥な関係を歌った「School Ma'm」、あるいは男性ホルモンを注射したロボットのような歌声と、卑猥語を8回も使った悪名高く荒々しい「Bring on the Nubiles」でも、同様だっただろうが。音楽的には、ストラングラーズは乗りに乗っていた。デイヴ・グリーンフィールドはハモンド・オルガンやムーグのシンセを使い、バーネルはベースをビンビンに鳴らし、ヒュー・コーンウェルの聞きやすい声は、すぐに彼らだと聞き分けられる。そして、少なくとも『No More Heroes』の半分は『Rattus Norvegicus』の曲と同じぐらい良い(実際のところ、アルバムの大部分は同時にレコーディングされた)。トップ10入りしたシングルを2曲含むストラングラーズのアルバムはこれだけだ。すなわち、ざらつくような召集命令の「Something Better Change」とアイコン的なアルバム・タイトル曲。まさしくロックの古典。(Kevin Maidment, Amazon.com)