もしも、少し穏やかな気持ちになりたかったり、ほっとするような慰めをほしかったり、勇気を忘れそうになったら、この本が役立つかもしれない。
いかにもイギリス人らしい主人公は、こんな風に年を取れたらよいかもしれないと、理想を投げかける「大人」の人物である。
彼の忍耐強さには感服する。本当にすごい。とってもすごい。
キャラクターは魅力的で、物語は結末まで飽きさせないだろう。
この本は第二次世界大戦の真っ最中に書かれた。だからだろうか。
私は空爆にあうロンドンの雰囲気や、牧歌的な農村風景と戦々恐々と逃避する人々との対比や、そんなところに臨場感を覚えた。
こんな世情だからこそ、作者のメッセージはいまだ色褪せない。
10代の方にも読んでほしい気がした。