自分的ツボ
★★★★★
かまたきみこ先生らしい作品だと思います。
その中でも、KATANAなどに比べるとファンタジーとして読みやすい作品ではないでしょうか?
主人公もですが、サブキャラがかなり生き生きしていて大好きな作品です。
ecoなテーマが底には流れていますが...
★★★★★
”説教くさい(!)”内容ではありません。
地球温暖化で水没してしまった都市から、色々な品物を引き揚げるミミのお話。
(アカデミー賞をとった”積み木の家”にちょっと似ているかも...こちらの方が先?)
その品物たちは、ただ水中に放置してあるわけではなく、
水没の結果で残る陸上が狭いことがあらかじめわかっていたため、防海水加工をした上で、海底にそのまま置いてあるのです。
家具や美術品は言うに及ばず、本来、水に弱い紙でできた本も...
というのが、個人的には面白い設定でした。
ヒロインのミミは、非常に潜水能力に優れているという設定ですが、
明るくサバサバとした女性なので、事件が起きても話のトーンが暗くならないのが良い所♪
短編物で、舞台・登場人物・出くわす出来事がバラエティに富んでいて、飽きません。
1巻という記載がないので、この1冊で終わってしまうのでしょうか。
残念です。
水中の美しさ
★★★★★
水没した街は、それでもだれかの宝物を秘めており、じつはまだ持ち主も特定されうるのだ、
という設定が、海面上昇に対し非破壊的な抵抗を示した人間の踏ん張りをあらわしている。
多くの海上生活者とごく一部の陸上生活者(お金持ちのエリート)の間の価値観・分化の微妙な違いが楽しい?摩擦を起こしている。主人公も含めた「ダイバー」たちは息継ぎなしで長時間潜水が可能で、そのため、彼らのダイブは舞踏のように美しい。作者も水中や潜水のシーンにかなりページを割いている。
もともと水のシーンが好きな方なら、あたまのなかが潤いますよ。