知性と成熟よりも、エネルギーと大胆不敵さに勝った音楽を愛するすべての人は、『Nuggets, Vol. 2: Original Artyfacts From the British Empire & Beyond』をコレクションに加えなければならない――もちろん隣には『Vol. 1』が置かれているはずだ。「I Can Hear the Grass Grow」や「14 Hour Technicolour Dream」といった曲に付けられた歌詞は、人生の謎を垣間見せてくれるようなものではない。しかし、これらの曲が書かれ、演奏されたときの向こう見ずで捨て鉢な気分を思えば、若く苦悩を知らなかったころの感覚を誰でも思い出すだろう。「Pictures of Matchstick Men」など一握りの曲は発表当時に商業的な成功を収めた。その中には最近カヴァーされた曲もあるが、カヴァーしたバンドはおおむね一発屋だったオリジナル・プレイヤーたちよりも長続きしている。また、シンプルすぎてありがちなロック・ソングにしか聴こえない曲もあれば、際立ったサウンドをもっていたり、他のロッカーたちが模倣（もほう）せざるを得なかったほどの影響力をもつ曲もある。だが、多くの曲はコアなコレクター以外の耳には新鮮だろう。これらの中で最良の曲でさえリリース当時にチャート入りを果たすことができなかったという事実を考えると、やはりタイミングこそすべてということか。最後にひとこと。このコレクションに収められた音楽は価格に見あったものだ。素晴らしいライナーノーツ（100ページすべてが価値ある記録だ）には、貴重な情報や美しい写真が載っており、毒っ気も満載である。（Steve Halloran, Amazon.com）