バスキア [DVD]
価格: ¥2,625
カンバスに直接皿を貼りつけた絵画で知られる現代美術の巨匠、ジュリアン・シュナーベル初の監督作である。
描かれるのは、80年代のニューヨーク美術界に旋風をまきおこしながら、ヘロインの過剰摂取で若くして逝った伝説的な画家、バスキアの半生である。監督のシュナーベル自身、ほぼ同じ時期に画壇の注目を集めた、いわば当事者でもある。それだけに、主人公の芸術と商売との相克に迷う姿や絵の「解釈」を強いるマスコミへのイラ立ちなど、細部の描写が非常にリアルだ。またそれゆえ、伝記モノに多いありきたりな美化を避けている。加えてアンディ・ウォーホル役のデヴィッド・ボウイなどのキャストがよく、ジョン・ケイルの助けを得ての音楽もすばらしい。
普段は絵画に関心の薄い人にも一見をおすすめしたい、繊細なタッチで彩られた作品である。(武内 誠)