辞める勇気 残る知恵―これからは「自分らしさ」に生きる (祥伝社黄金文庫)
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「リストラ」。いやな言葉である。もし自分がリストラの対象になったらどうするか。実際にリストラが行われていなくとも、そんな「もしも」を考えておかなければならない時代である。『部長 島耕作』の作者でもある筆者は、「会社からリストラ(合理化)される前に、自分をリストラ(再構築)せよ」と説く。「自分は自分で守る」という覚悟さえあれば、自分を本来の意味でのリストラクチャリングすることができる。リストラを恐れ身を縮めて生きるのでなく、自分自身でどんどん自分を変えるのだ。自分が変われたら、こちらから会社をリストラ(合理化)してしまうことだってできる。そのためには、会社への幻想や依存心を捨てて、自分への規矩(きく)をもつことが必要だ。この一線は絶対に守るという自分への約束、自分だけのものさしである。そして、「おのずと出てくる個性を無理に消すことはない。他人との比較を重視する時代はそろそろ終焉を迎える。自分の方法で合理的にことを進め、少ないエネルギー消費で結果を出すのがこれからのトレンドだ」と言う。自分を生かすための勇気と知恵が詰まった断固たる1冊である。(家永光恵)