ジミー・デュランテがナレーターをつとめるこのクリスマス・ストーリーは、同名のクリスマス・ソング「フロスティ・ザ・スノーマン」をもとにしている。クリスマス・イブに学校にいなければならない生徒たちに埋め合わせするために、教師がヒンクル教授という手品師を雇って生徒たちを楽しませることにする。だがあいにく、ヒンクル教授はとても下手な手品師だった。帽子からウサギを出そうとしてもうまくいかず、いらいらして、怒りのあまり帽子を投げてしまう。教室の外では子どもたちが雪だるまを作っていて（名前は何にしよう？ ハロルドはどうかな？ オートミールは？ フロスティがいいよ！）、飛んできた帽子を乗せると雪だるまに命が吹きこまれる。帽子に魔法の力が宿っていたと気づいたヒンクル教授は、大もうけするために帽子を取り戻そうとし、子どもたちはフロスティを守ろうとする。そうこうするうちに気温が上がってきて、新たな問題がフロスティの命をおびやかす。子どもたちのリーダー、カレンがフロスティを守る計画を思いつく。フロスティを列車に乗せ、一年中寒い北極へ連れて行こうとするのだ。サンタクロースが登場して、フロスティは毎年クリスマスに帰ってくると約束するシーンなど印象的な場面に加え、本作品で描かれる生命、死、クリスマスの祝日気分には、希望と幸福という甘いアイシングがかかっている。クリスマス映画の中でも正真正銘の名作である。(Andy Spletzer, Amazon.com)