リンゴ・スターのソロ通算4作目で、最高傑作との呼び声高い前作『リンゴ』(1973年)の路線を踏襲し、ほのぼのムード漂うポップ・アルバムに仕上がっている。前作同様、参加アーティストの顔ぶれは豪華だ。タイトル曲を書いたジョン・レノンをはじめ、ドクター・ジョン、エルトン・ジョン、ニルソン、ロビー・ロバートソンetc…と、リンゴの幅広い交遊関係と人柄がうかがえる。
ニルソンとジョンの共演盤『プッシー・キャット』を思わせるプラターズのカヴァー「オンリー・ユー」や、ニューオーリンズR&B風味の「オカペラ」「ウー・ウィー」「オール・バイ・マイセルフ」などには、おもわず和んでしまうこと請け合いだ。リンゴのソロなら、まずは『リンゴ』と本作だろう。(木村ユタカ)