一般的に陶芸と言えば、くるくる回るロクロを思い浮かべる。遠心力による土がスルスルと伸び上がっていく姿を思い浮かべる。
しかしこの本で紹介されている技法は、ヒモ状に丸めた粘土を積み上げていくヒモづくりや、型を用いたタタラづくりなどである。形作られるものは、想像以上に自由で伸び伸びとしている。
ロクロから生み出されるやきものは、工芸品、という感じがするが、
本書で紹介されている技法や作者の手から生み出されるやきものは、芸術、という印象を受ける。
陶芸をやらない人が読んでも、その巧みな技と、土の自由さに目を奪われる一冊ではないだろうか。