竹西寛子の著作を味わうには、この１冊が良いと思います。
この随想集（全３冊）は、年代毎に編纂されていますが、彼女の持つ、古典への造詣の深さと、日々の生活を見つめる鋭い視点、そして被爆体験という経験からの平和への祈り、それらを読むには、私は、この１冊は、うってつけだと思っています。
　そして、もし次の１冊となれば、この続編の２冊ですが、手に入ることが可能であれば、「長城の風」（連作短編小説　竹西寛子著　新潮社）を絶対にお奨めします。これが、なぜ絶版なのか。私は、わかりませんが、最高の１冊と呼んで良い傑作です。
　現在、比較的、入手しやすい文庫本では、「蘭」（自選短編集）があります。こちらも、お奨めです。