やさしく高度で広範をカバーし、21年税制改正や時価ガイドラインも
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昨年(平成20年)末に、それまで「遺産取得課税になる!」の大合唱が、選挙対策で急遽取り止めになって、新しい計算方式が考案された。例によってその図解も官製の図ではなく、著者オリジナルの図解に引き直され明快!(P314)
同じくいきなり登場した「贈与税の納税猶予制度」と「相続税の納税猶予制度」との関係は、難解なのに、コラムの図解ですっきり!(P320)
これによっても、「相続時精算課税」と「納税猶予」の両立が不可能と判り、3月末までなら、経過措置があることを知った!急げ!!(P322)これなどは、税制改正大綱を読んでいてもさっぱり判らなかったことを、明快に図解してくれている。
難しいと言われる「資産管理会社」対策も、見開き図解で一発でわかる!(P326)
黄金株があると納税猶予できない(P345)や、「除外合意」・「固定合意」・「追加合意」・「納税猶予」などの総合的判断の一覧表と贈与と譲渡の対策表(P350/351))が秀逸だ。
傑作なのが、「遺留分の特例」と「納税猶予」の要件が混乱する制度にあって、その確認テストが面白い。一通り分かっている人でもチャレンジする価値あり!(P354-357)如何に自分が判っていないかが判る!(笑)
これに併せて、両者の要件の違いの一覧表もとても役立つ(P359)
巻末の「補稿」がこれまた凄い!「後に係る納税猶予のチャート」はこれだけでも価値ある。家庭裁判所の許可のもとになる「特別家事審判規則」と解説は、実は去年発表されていたと知って驚く!21年度税制改正の複雑な関係も図解でズバリだし、2月9日に公表された「時価ガイドライン」は膨大だが、その要点はここだ!と図解してくれているのも助かる!!
第一種基準日と第二種基準日までに税務署長に届出必要とは!!(P319等)