多様な光の表現
★★★★★
ピエ・ブックス「世界の〜」シリーズ、今回はステンドグラス特集の一冊です。文字通り、世界各国の約170箇所のステンドグラスが紹介されています。
面白いのは、「ステンドグラス」という言葉で一般にイメージされるようなゴシック教会の写真は少なめで、現代建築の教会やホテルなどの施設のものが紹介されている点でしょうか。表紙のサント・シャペルのような写真以外にも、幾何学文様のステンドグラスなど、多様な表現を楽しめました。ミュシャがデザインしたガラス、サクラダ・ファミリア教会の窓、そしてイスラム建築のステンドグラス。見れば見るほど奥の深い世界です。
ひとつ残念なのは、並びに一貫性が無い点でしょうか。国別でも、時代別でもないので、もう少し順序があっても良かったなあ、と。また、ゴシックのものが少ないので、そちらを見たい方には物足りないかもしれません。
気になる点はありますが、値段に対して非常に充実した美しい写真集だと思います。