A crisp clean softcover, no markings throughout.
久しぶりに本に夢中になりました。
★★★★★
とにかくおもしろかったです!The Girl with the Dragon Tattoo から読み始めて、三部作とも素晴らしい構成で、最後の最後までその展開が私の想像を越えていました。登場する人物も、Salander、Blomkvist、Bergerなど実に魅力的にいきいきと描かれています。彼らの日常生活の細かな描写、例えば食事を取る場面などにも惹きつけられたのが不思議でした。このThe Girl who Kicked the Hornets’Nestを読み終えて、全てがつながってくるスケールの大きさも感じました。単なる推理小説を越えたものが私にはありました。
圧倒的な解決編
★★★★★
第1作は一応完結した作品として読めますが、第2作と第3作は完全に連続していて、続けて読まないとわからないと思います。Lisbeth Salander は少し脇役に退きますが、そのかわりというか、Monica Figuerola と Annika Giannini という、これまたすばらしく個性的で、かっこいい女性たちが登場してきます。特に後者(Blomkvist の妹)の裁判での姿は、しびれますね。
しかし、第2作あたりから少しずつ姿を現してきた国家的陰謀のストーリーに、どの程度の史実性があるのか私は知りませんが、かなり書いてはいけない、「やばい」話を小説に取り入れてしまっているんじゃないかと思えて、作者の急死は陰謀によるという説が一時浮上した理由がわかるような気はします(この邪推は公式に否定されているらしいですが)。特に本書の前半は、急テンポでぽんぽん進行してゆくというスタイルではないので、読み進むのに多少の忍耐力を要するかもしれませんが、後半はもう止まりませんね、おかげでずいぶん睡眠不足になりました。
ちょっと長すぎ
★★★☆☆
人物描写の¥も、時代背景もあまりに細かすぎて冗長に感じられました。たとえば、病院の掃除のおじさんのことを子供のころから、今至るまで詳しく書いてあり、いったいこの人が後でどんなことに関連するのかと思わせるほどです。著者がジャーナリストで、移民とか府政の圧政とかに興味があったのかもしれませんが、あまりに詳細過ぎて興味が薄れました。組織を守るためには殺人も平気な人々が、もっと前にザルチェンコをあっさりと切り捨ててしまわなかったのかと矛盾を感じました。あまりに解説部分が多く、一気に読むというわけにはいきません。私は、第2作が一番まとまりがあって面白かったと思います。
シリーズものと知らず初めて読んだが大変おもしろかった
★★★★★
これは初めてキンドルで読んだ本である。そしてスウェーデンの作家の本を読むのも初めてであった。ちなみにキンドルはよくできていて、読みやすかったし使い勝手もよかった。
さてこの本についてである。初めは主人公が誰なのかわからずに混乱しながら読んだが、筋立ての面白さに引かれてぐいぐいと読むことができた。シリーズものだということも途中で気がついたが、前作を読んでいなくても楽しむことができる。
話は、親に虐待されて育った女性・Salanderと、前作を読んでいないのでどういうわけでこのBlomkvistという雑誌記者が絡んでくるのかが分からないが、主として二人の人物が活躍する、いわゆるスリラー小説である。
殺人者としての容疑を持つSalanderは実の父親をまさかりで傷つけ、兄に瀕死の目に合わされるという状態で病院に担ぎ込まれる、というなんとも混乱した場面から話は始まる。
全体の筋書きとしてはSalanderが病院で療養している間にBlomkvistがその冤罪を晴らすべく活躍する様子を中心にして書かれているのであるが、病院で療養しているSalanderも秘密裏に差し入れてもらったコンピューターを駆使して舞台に踊り出てくる。
面白かったのは後半部分の裁判の場面である。そのやり取りがスウェーデンの性生活なども話題にして進められるので、同じ西洋社会でもアメリカやイギリスとは違うのだな、と興味深かった。スウェーデンにおける男女の関わりについての記述も幾つか出きて(しかし性描写などは無い)、一般的に言うと自由な性生活、ということになってしまうのかもしれないものの、巷間言われているフリーセックスとはまた違った、自然の営みに沿った性生活、とでもいえばよいのだろうか、スウェーデンとはこういう国かと、面白く感じた。また、女性の管理職が多く登場するのもこの国ならではのことなのだろう。一度は住んでみてどういう人達なのか知り合いになってみたい気がした。そしてこの話に触発されて同じ作者の過去の作品もキンドルに収納した。
主人公たちとの長い旅
★★★★☆
お恥ずかしながら Millennium シリーズ3作読了するのに1年近くかかってしまいました。
他の本も並行して読んでいたとはいえ、英語本では最長記録です。とほほ
乗りかかった船という心境で英語訳本を読み通そうとしている間に、とっくに邦訳版出ちゃうし。
とはいえ、この小説が面白くないとか、英語が難しいということは、けしてありません。
ただ、私にとってはページを繰るのももどかしいということはなく、他の本の合間に読むのにちょうどいい面白さだったということです。
ミステリー部分の謎解きや登場人物の性格付けに既視感を覚え、話の展開もご都合主義と感じる部分が多かったせいでしょうか。
男女の役割が逆になっているような Blomkvist と Lisbeth のコンビは痛快ですし、Lisbeth の自分ルールには共感しますが。
しかしながら、シリーズ中では約3年の月日が流れていて、問題「児」という印象だった Lisbeth も人間的な成長を遂げており、この時間の流れが私が読了するのにかかった時間と釣り合っていた、いわば彼女と旅を共にしてきたという感慨があります。
このシリーズ3作目で、一連の事件、人間関係は一応の決着を見せるのですが、Lisbeth の妹 Camilla の謎など語られていない部分は未完の4作目以降で展開する予定だったのかと思うと、作者の早世はやはり惜しいですね。