ふさいちの感想
★★★★★
若者が代官として成長していく姿以上に、室町後期に暮らす人々の生活環境が詳しく描かれている。小気味のいい展開に感動しながら読むことができる。
「法力のつづく限り、祈って進ぜよう‥。」
★★★★☆
寺が持つ荘園の代官として赴任した逆巻荘で、若い僧・清佑が慣れないながらも必死で村人たちが
持ち込む厄介事や、となり合う荘園の地頭とのトラブルに立ち向かってゆく姿を描く。
世間知らずで、ひたすら筋を通そうとする清佑と、若い代官の器量を試すかのごとき、したたかな
村人たちとの腹の探り合いが面白い。
支配する側は所詮は他所者、利用はされても信用はされない。
土地に生きる村人たちのしたたかさは、清佑が、村の14歳の娘に「なかなか性根のすわった娘やな」と
言うのに対し、荘園の世話役が「なんのあれしき。村の娘はみなあんなもので」と、こともなげに
言ってのけるところが象徴的。
室町の終わり、戦国に移る混乱の時代。
弱者こそたくましく生きる術を心得ていたのかも知れない。
ふさいちの感想
★★★★★
若者が代官として成長していく姿以上に、室町後期に暮らす人々の生活環境が詳しく描かれている。小気味のいい展開に感動しながら読むことができる。
「法力のつづく限り、祈って進ぜよう‥。」
★★★★☆
寺が持つ荘園の代官として赴任した逆巻荘で、若い僧・清佑が慣れないながらも必死で村人たちが
持ち込む厄介事や、となり合う荘園の地頭とのトラブルに立ち向かってゆく姿を描く。
世間知らずで、ひたすら筋を通そうとする清佑と、若い代官の器量を試すかのごとき、したたかな
村人たちとの腹の探り合いが面白い。
支配する側は所詮は他所者、利用はされても信用はされない。
土地に生きる村人たちのしたたかさは、清佑が、村の14歳の娘に「なかなか性根のすわった娘やな」と
言うのに対し、荘園の世話役が「なんのあれしき。村の娘はみなあんなもので」と、こともなげに
言ってのけるところが象徴的。
室町の終わり、戦国に移る混乱の時代。
弱者こそたくましく生きる術を心得ていたのかも知れない。