この物語は、99年にパソコン通信の掲示板で掲載されるやいなや爆発的な評判を呼び、翌2000年に単行本化され、韓国で10万部以上のベストセラーを記録したもの。横組みで組まれ、フェイスマークが頻出する日本語版でも、ネット小説ならではの雰囲気を楽しむことができる。ちなみに、子音と母音の組み合わせで表記するハングルにおいては、普段使われている正書法とは異なり、視覚的にも楽しめる「インターネット体」という新たな表記法が登場しているそうだ。日本語の構造とは異なるため翻訳には反映できないが、韓国におけるインターネット人気の秘密は、こんなところにもあるのかもしれない。
内容は、ちょっと気弱な大学生「キョヌ」の1人称で、「猟奇的な彼女」との偶然の出会いから別れまでが、ユーモアたっぷりにつづられている。「前半戦」と「後半戦」の2部構成になっており、「彼女」と「キョヌ」とのドタバタな関係が笑いを誘う。しかし、おもしろいなかに2人の切ない思いが見え隠れするところもあり、20代の若者らしい恋の話に仕上がっている。
日本で2003年1月に公開された同じタイトルの映画は、本書を原作とし、新たに「延長戦」を加えた3部構成になっている。原作とは異なるラストシーンは、「彼女」との偶然の出会いが必然に変わる感動的なもの。本書を読んでから映画を見ても、映画を見たあとに本書を読んでも、どちらも素直に楽しめる。(朝倉真弓)
小説と違って横書きのインターネット的な文の書きかたなので、ネットユーザーな僕には読みやすく、きっと文章キライな人でもサクサク読みすすめれるものと思います。
悪い点を挙げます。挿絵が気になりました。
映画を先に見ていたので、それぞれのキャラクターと韓国の俳優が重なります。それが心地よいのですが、挿絵でイメージが崩れます。映画ではおしゃれだった彼女も絵の中ではダサダサでそれも気に入りません。服全般や背景も適当に描かれてあって、見ていて嫌な気分になりました。
いっそ挿絵はないほうがよかった。
それで星4つです。
映画は美しいラブストーリーに仕上がっていますが、原作はコメディの要素の方が強いです。でも、映画の何倍ものエピソードが書かれていますし、生身の韓国の男の子の気持ちを知ることができます。
映画では語られていなかった詳細も復習できて、「そうだったのかー」と妙に納得したり。本を読んでいて途中で映画を見て復習したりしました。
しかし、映画はクァク・ジョエン監督の感性によるところがかなり大きいと思うので、原作と映画はそれぞれ独立した話として楽しむのがおすすめです♪