心と知
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日本古来の文化の中に脈々と流れる美意識や精神が今、世界のデザイン界から注目を集めていると思います。もう一度自分が日本人であることを意識することが重要だと思いました。中国から流入してきた文化と技術は、その時代ごとに日本文化として消化され、非常に情緒豊かな精神世界と文化を形成してきたと思います。そこには現代社会に欠落した「心と知」が生きていたように思います。和紙というのは日本人の心を映し出すかのように、柔らかくやさしい表面を持ち、丈夫で芯の強い内面を持つように思われます。この本は、和紙のデザインというものを通して、日本の「心と知」をしっかりと捉え、新しい時代の「心と知」へと導いてくれる本です。今まではデザインに興味がなかった人でも、読んでみる価値があると思います。