読む価値あり。
★★★★☆
関ヶ原の合戦における裏切り行為により歴史的にあまり評判がよくない小早川秀秋の関ヶ原の合戦後の岡山藩主としての短い2年間の晩年を中心に描いた珍しい作品です。裏切り者という汚名からくる精神的な疲労から徐々に酒浸りになり、些細な事から罪も無い領民や家臣の命を奪い、重臣達にも愛想を尽かされた末見捨てられ、ついには自らも21歳という若さで非業の最期を遂げる。秀秋のみならず小早川家を去った後の重臣達のその後を描いているのも魅力です。小早川秀秋という人物を関ヶ原の合戦と岡山での乱行のみで評価するのは軽率だとは思いますが彼の関ヶ原以後の事蹟というのはあまり知られていない部分だと思うので興味のある人達には特にお薦めの作品です。