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漂流巌流島 (創元推理文庫)

価格: ¥861
カテゴリ: 文庫
ブランド: 東京創元社
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最後の謎解き(?)シーンはおもしろいのですが... ★★☆☆☆
居酒屋の片隅で繰り広げられる歴史うんちく談義と、それによって明かされる「有名な」事件の真相の数々・・・というストーリ展開による短篇連作集。

鯨統一郎の「邪馬台国・・・」シリーズと趣きを一つにするもので、読者としてはどうしても比べてしまう。読んでみると、実は中身はかなり感じが違う。鯨作品は、基本的に対立する立場の会話がベースになっていて、丁々発止の議論がどんどん進んでいく中で、次第に真相が明らかになってゆく、というもの。一方で本作品は、かなりの分量の史料を引いている体裁をとっていて、一部古文表現(読み下し文にはなっているが)ということもあり、個人的にはとても読みづらいという印象。最後の謎解き(?)シーンは、なかなかおもしろいのですが。

解説で有栖川有栖も述べているが、ちゃんと史料をひいているあたり、歴史好きのミステリ好きにはたまらない作品なのだろう。一方で、ミステリは好きだが、歴史はどうも、という者から見ると、そんな硬い話は良いから、えぇーっ、という話を読ませてほしいなあ、という印象を強く持つと言う話はある。

その点、鯨の場合は、読者にすっと読ませる工夫をしている、ということなのかもしれない。
なかなかの意欲作 ★★★☆☆
われている事柄は誰もが知っている歴史的事実である。それをしがない若手のシナリオライターと百戦錬磨の映画監督が、ああだこうだと議論していくうちに意外な事実が浮かび上がってくるというのが本書の基本的な構成。
第一話では有名な宮本武蔵と佐々木小次郎の巌流島での決闘について、思いもよらない新事実が浮かび上がってくる。この決闘について一般的に知られている数々の事柄、例えば武蔵が決闘の時間に遅れてきたとか、佐々木小次郎が美剣士だったとか、われわれが本来もっている巌流島の決闘のイメージは、吉川英治の小説や大河ドラマなどで植えつけられた誤ったイメージであって、実際あったであろう決闘の真実はそのイメージから大きくかけ離れたものであったのだ。また赤穂浪士の討ち入り事件、新撰組の池田屋事件、荒木又右衛門の仇討ち事件それぞれについても本来培っていた勝手なイメージと大きくかけ離れた真実が浮かび上がってきて興奮をさそう。これらの事実は、ちょっと歴史に詳しい人なら誰もが知っていることなのかも知れない。だが、それをこうしてわかりやすく且つおもしろくエンターティメントに仕上げた手腕は、なかなかのものだと思った。いかんせん、構成に少々難ありだったが、それには目をつぶるとしょう。歴史の闇を新たな切り口で新鮮に甦らせた手腕に拍手を送りたいと思う。なかなか楽しめましたぞい。 
最後の謎解き(?)シーンはおもしろいのですが... ★★☆☆☆
居酒屋の片隅で繰り広げられる歴史うんちく談義と、それによって明かされる「有名な」事件の真相の数々・・・というストーリ展開による短篇連作集。

鯨統一郎の「邪馬台国・・・」シリーズと趣きを一つにするもので、読者としてはどうしても比べてしまう。読んでみると、実は中身はかなり感じが違う。鯨作品は、基本的に対立する立場の会話がベースになっていて、丁々発止の議論がどんどん進んでいく中で、次第に真相が明らかになってゆく、というもの。一方で本作品は、かなりの分量の史料を引いている体裁をとっていて、一部古文表現(読み下し文にはなっているが)ということもあり、個人的にはとても読みづらいという印象。最後の謎解き(?)シーンは、なかなかおもしろいのですが。

解説で有栖川有栖も述べているが、ちゃんと史料をひいているあたり、歴史好きのミステリ好きにはたまらない作品なのだろう。一方で、ミステリは好きだが、歴史はどうも、という者から見ると、そんな硬い話は良いから、えぇーっ、という話を読ませてほしいなあ、という印象を強く持つと言う話はある。

その点、鯨の場合は、読者にすっと読ませる工夫をしている、ということなのかもしれない。
なかなかの意欲作 ★★★☆☆
われている事柄は誰もが知っている歴史的事実である。それをしがない若手のシナリオライターと百戦錬磨の映画監督が、ああだこうだと議論していくうちに意外な事実が浮かび上がってくるというのが本書の基本的な構成。
第一話では有名な宮本武蔵と佐々木小次郎の巌流島での決闘について、思いもよらない新事実が浮かび上がってくる。この決闘について一般的に知られている数々の事柄、例えば武蔵が決闘の時間に遅れてきたとか、佐々木小次郎が美剣士だったとか、われわれが本来もっている巌流島の決闘のイメージは、吉川英治の小説や大河ドラマなどで植えつけられた誤ったイメージであって、実際あったであろう決闘の真実はそのイメージから大きくかけ離れたものであったのだ。また赤穂浪士の討ち入り事件、新撰組の池田屋事件、荒木又右衛門の仇討ち事件それぞれについても本来培っていた勝手なイメージと大きくかけ離れた真実が浮かび上がってきて興奮をさそう。これらの事実は、ちょっと歴史に詳しい人なら誰もが知っていることなのかも知れない。だが、それをこうしてわかりやすく且つおもしろくエンターティメントに仕上げた手腕は、なかなかのものだと思った。いかんせん、構成に少々難ありだったが、それには目をつぶるとしょう。歴史の闇を新たな切り口で新鮮に甦らせた手腕に拍手を送りたいと思う。なかなか楽しめましたぞい。