憧れの曲、でしょうか
★★★★☆
この曲が弾ければ初級卒業、という目安の曲、といった位置づけでしょうか。
ピアノピース難易度はB(初級上)です。
難しくない割に演奏効果の高い曲です。
有名すぎる曲ですし、この曲に憧れてピアノを始めた人、この曲を目標にしていた人など、思い入れのある人も多いことでしょう。
第一中間部が一番の難所なので、ここに一番時間をかけて練習し、しっかり弾けるようにすることが大事でしょう。
第二中間部の半音階下降も、しばしば出てくるパターンなので、きちんとマスターしておけば後々役に立ちます。
ところで後半部の半音階のところの最高音E7(e4)は、この曲が作曲された時代(1810年頃)のピアノで弾けたのでしょうか。
原典版等にも、何の注意書きもないのですが、E7の音はベートーヴェン最晩年のピアノでも、一部の楽器でしか出せませんでした。
(第20番までの「月光」「テンペスト」などを含む前期ピアノソナタの最高音は、全てF6(f3)まで。ワルトシュタイン、熱情のころやっとC7(c4)まで。ハンマークラヴィーアでは、イギリスのピアノの最高音C7にあわせて修正している記載もある)
テレーゼだかエリーゼだかに捧げる曲に、なぜこんな音域で書いたのか、不思議です。
(捧げた相手のピアノで、この音域を使えるとは限らない)
しかし、この点について言及した文献を見たことがありません。