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Playback

価格: ¥11,762
カテゴリ: CD
ブランド: Mca
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   トム・ペティは早くに絶頂期を迎えた。北フロリダのバーで活動していたペティのバンド、マッドクラッチは1974年にロサンゼルスに拠点を移して、シェルター・レコードと契約し、やがてトム・ペティ & ザ・ハートブレイカーズとなった。1976年にリリースしたバンド名を冠したデビューアルバムは、バーズの騒々しいハーモニーと南カリフォルニアの理想主義に、ローリング・ストーンズ的な強烈なブルースと労働者階級の反骨を溶け合わせた一見不可能に思えるサウンドだった。そして、バンドのリズム・セクションはロックし、マイク・キャンベルは洗練されたギターを軽々と奏で、ペティも情感豊かに歌っていた。

   3作目となる1979年の『Damn the Torpedoes』でバンドは、「Refugee」や「Even the Losers」といった永遠のロックンロール・シングルを作り上げた。だが1980年頃には、バンドの最高のサウンドはすでに過去の話だった。リズムは雑になり、メロディーはもはや魅力を失い、演奏には以前のような緊迫感がなくなっていた。それでも見事な職人芸でプレイし、アルバムを数百万枚も売ったが、最初の3作のアルバムのような力強いサウンドを二度と生みだすことはなかった。

   おかげで、このボックスセットはきわめてバランスが悪く、最初の4作のアルバムから21曲を選曲した圧倒的なCD1枚と、それよりも出来の劣る71曲をまとめたCD5枚で構成されている。けれども、ペティの筋金入りのファンにとっては、知られざるトラックがそろった本セットは宝物と言える。たいていのボックスセットはヒット曲とレア・トラックの割合が8対2だが、本セットは5対5に近く、アルバム未収録のシングルのB面曲、マッドクラッチ時代のレア・トラック、お蔵入りしたスタジオ・テイク、ジミー・リードやコンウェイ・トゥイッティ、エルヴィス・プレスリーのカヴァー曲などが収録されている。(Geoffrey Himes, From Amazon.com)